エンディングノートの書き方

連絡先リストの作り方|訃報を誰に、いつ、どう知らせるか

家族が把握していない交友関係は必ずあります。訃報を「すぐ知らせる人」「後日知らせる人」「知らせなくてよい人」の3つに分けて書く方法、名簿の作り方、勤務先や取引先への一報、そして家族が実際に困る場面をまとめました。

約4分で読めます・2026-09-06 公開

この記事の要点

  • 訃報の連絡先は「すぐ知らせる人」「葬儀後に知らせる人」「知らせなくてよい人」の3つに分けて書くと、家族が迷わずに済みます。
  • 家族が把握していない交友関係は必ずあります。学生時代の友人、以前の職場、趣味の仲間は、本人にしか分かりません。
  • 団体や職場は全員分を書く必要はなく、一報を入れる代表者を1人決めておけば足ります。
  • 名簿の手がかりは、年賀状、スマートフォンの連絡先、SNSの友だち一覧、手帳の3つです。
  • 住所や電話番号は変わります。年に一度、見直す日を決めておいてください。

葬儀のあとに寄せられる声で多いのが、「知らせるべき人に知らせられなかった」というものです。しばらくして本人の友人から手紙が届き、そこで初めて訃報を知った、というような場面です。

家族は、本人の交友関係の全部を知っているわけではありません。学生時代の友人、以前の職場の同僚、趣味の仲間、地域の付き合い。これらは本人にしか分からない情報です。

3つに分けて書く#

名前を並べるだけでは、家族は「この人にはいつ知らせればいいのか」で迷います。知らせるタイミングで3つに分けると、そのまま行動に移せる一覧になります。

区分誰を入れるか家族がとる行動
すぐ知らせる親しい親族、ごく親しい友人、葬儀に参列してほしい人亡くなった当日から翌日に電話
葬儀のあとに知らせる広く付き合いのあった友人、以前の同僚、遠方の知人落ち着いてから手紙やはがきで
知らせなくてよい年賀状だけの付き合い、疎遠になった相手対応不要。書いておくと家族が悩まずに済む

書く項目#

  • 名前(ふりがなも。読み方が分からないと電話で名乗れません)
  • 関係(高校の同級生、○○社の元同僚、俳句の会 など)
  • 連絡先(電話番号があると確実。住所だけでも可)
  • 区分(すぐ/後日/不要)

関係を書いておくことには、もう1つ意味があります。家族が電話をかけたとき、「父がいつもお世話になっておりました、俳句の会の」と切り出せると、相手にも状況が伝わりやすくなります。

団体・職場は「代表者1人」でよい#

会社、町内会、趣味のサークル。所属している団体の全員を書き出す必要はありません。一報を入れれば、あとは中で回してもらえる人を1人決めておけば足ります。

  • 勤務先 — 直属の上司または人事の担当者。在職中なら、退職金や社会保険の手続きにも関わります
  • 取引先 — 自営業の場合、まず知らせる先を1〜2件
  • 地域 — 自治会の班長、隣組
  • 趣味の会 — 幹事や世話役

名簿の手がかりを集める#

ゼロから思い出そうとすると手が止まります。手元にある材料から拾うのが早道です。

  1. 年賀状 — 直近3年分をながめると、今の付き合いが見えます
  2. スマートフォンの連絡先 — 登録名だけでは関係が分からないので、そこに関係を足していく
  3. SNSの友だち一覧 — 本名が分からない相手は、家族には連絡のしようがありません
  4. 手帳・住所録 — 古いものほど、忘れていた名前が出てきます

SNSでしかつながっていない相手には、家族から連絡する手段がありません。どうしても伝えたい相手なら、電話番号か住所を聞いておくか、アカウントの扱いをどうするか決めておいてください(デジタル遺品の整理)。

家族側が実際に困る場面#

場面起きること備え
葬儀の規模が読めない参列者の人数が読めず、会場や料理の手配で慌てる「すぐ知らせる」の人数が目安になる
名前は分かるが連絡先がない年賀状の住所へ手紙を出すしかない電話番号を書いておく
誰に一報すべきか分からない職場や団体への連絡が漏れる代表者を1人決めておく
喪中はがきの範囲で迷う出す・出さないを家族が判断できない区分がそのまま目安になる

家族葬にしてほしい場合も、この一覧は役に立ちます。「葬儀は家族だけで行い、後日あらためて知らせる」という進め方ができるからです。葬儀の形式については葬儀・お墓の希望の残し方をご覧ください。

「ななえの手帖」には、緊急連絡先と、訃報を知らせてほしい人を書く欄があります。思い出した人から少しずつ足していけます。

連絡先を書き出す

年に一度、見直す#

連絡先は、財産よりも変わります。古いままだとかけ直しになります。引っ越し、携帯番号の変更、相手が先に亡くなること。年賀状を書く時期は、ちょうど住所を確認する機会でもあるので、見直しの時期として向いています。

よくある質問

Q. 何人くらい書けばよいですか?
人数の目安はありません。「すぐ知らせる」に入るのは10人前後という方が多いようです。まずはその区分だけ埋めてください。後日知らせる人は、年賀状の束が代わりになるので、無理に書き出さなくてもかまいません。
Q. 家族には知られたくない相手がいます。
無理に書く必要はありません。どうしても伝えたい場合は、その相手にだけ連絡してくれる人を1人決めて、その人に事情を伝えておく方法があります。ノートには「○○さんに連絡してほしい人がいる」とだけ書いておく形です。
Q. 電話で訃報を伝えるとき、何を言えばよいですか?
故人との関係、亡くなった日、通夜と葬儀の日時・場所、喪主の名前。この4つが伝われば十分です。家族が慌てないよう、ノートに喪主として誰にお願いしたいかを書いておくと、この会話がしやすくなります。
Q. 個人情報を書いておいて、問題はありませんか?
他人の連絡先を含むため、ノートの保管には注意が必要です。人目につく場所に置かず、保管場所を家族の誰か1人に伝えておく形にしてください。保管の考え方はエンディングノートの保管場所の記事で解説しています。

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