ななえの手帖
贈与契約書のひな形(金銭)
贈与は、あげる人の「あげます」と、もらう人の「もらいます」の両方がそろって成立します(民法549条)。 口約束でも成立しますが、書面がないと、あとから贈与だったのか貸したものだったのかが分からなくなります。 遺されたご家族が困らないよう、渡すたびに1枚ずつ残しておきましょう。
1書く前に:この5つで、書類が生きるか死ぬかが決まります
- 贈与するたびに、その都度つくる。何年も先の分をまとめて1枚で約束すると、はじめから決まっていた1つの贈与とみなされることがあります。 毎年おなじ日・おなじ金額を機械的に繰り返すのも避けます。
- 現金の手渡しではなく、銀行振込で渡す。通帳に記録が残ります。契約書の日付と振込日を合わせておくと、後から説明しやすくなります。
- 受け取った方が、その口座を自分で管理する。通帳・印鑑・キャッシュカードを贈与した側が持ったままだと、名義を借りただけの預金 (名義預金)と見られやすくなります。渡したら、口座ごと手を離します。
- 受け取る方が、贈与を受けたことを知っている。本人が知らないうちに口座に入れていた、という状態では贈与になりません。 お受け取りになる方に、必ずご本人の字で署名していただきます。
- 日付と氏名は自筆で書く。押印は認印でもかまいませんが、実印と印鑑証明書を添えるとより確実です。 公証役場で確定日付をもらっておく方法もあります(1通700円)。
2不動産や株式を贈与する場合
このひな形は金銭の贈与用です。ほかの財産では、次の点が変わります。
- 第1条の「金○○円」を、登記事項証明書のとおりの物件の表示(所在・地番・地目・地積、家屋番号・種類・構造・床面積)に置き換えます。
- 不動産は名義変更(所有権移転登記)まで行って完了です。登録免許税と、 のちに不動産取得税がかかります。手続きは司法書士へご相談ください。
- 不動産の贈与契約書には収入印紙200円が必要です(金銭の贈与契約書には不要)。
- 上場株式・投資信託は、証券会社の移管手続きが必要です。取引されている証券会社にお尋ねください。
3渡したあとにすること
- 契約書2通に、双方が署名・押印した
- 贈与者と受贈者が、1通ずつ保管した
- 契約書に書いた口座へ、振込で渡した
- 振込の控え(通帳の記帳・明細)を契約書と一緒に保管した
- 受け取った方が、通帳・印鑑・キャッシュカードを自分で持っている
- 贈与税の申告が必要かどうかを確認した(下の注意書きをお読みください)
(1通目 / 全2通)
贈与契約書
贈与者 (以下「甲」という。)と、 受贈者 (以下「乙」という。)とは、 本日、以下のとおり贈与契約を締結した。
第1条(贈与)
甲は、乙に対し、金 円を贈与することを約し、 乙はこれを承諾した。
第2条(引渡し)
甲は、前条の金銭を、 年 月 日までに、 下記の乙名義の預金口座へ振り込む方法により引き渡す。振込手数料は甲の負担とする。
金融機関名 支店名
預金種別 口座番号
口座名義
第3条(協議)
本契約に定めのない事項について疑義が生じたときは、甲乙誠意をもって協議のうえ定める。
本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各1通を保管する。
年 月 日
贈与者(甲)
住所
氏名 印
受贈者(乙)
住所
氏名 印
受贈者が未成年の場合は、親権者もご署名ください
住所
親権者 氏名 印
(2通目 / 全2通)
贈与契約書
贈与者 (以下「甲」という。)と、 受贈者 (以下「乙」という。)とは、 本日、以下のとおり贈与契約を締結した。
第1条(贈与)
甲は、乙に対し、金 円を贈与することを約し、 乙はこれを承諾した。
第2条(引渡し)
甲は、前条の金銭を、 年 月 日までに、 下記の乙名義の預金口座へ振り込む方法により引き渡す。振込手数料は甲の負担とする。
金融機関名 支店名
預金種別 口座番号
口座名義
第3条(協議)
本契約に定めのない事項について疑義が生じたときは、甲乙誠意をもって協議のうえ定める。
本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各1通を保管する。
年 月 日
贈与者(甲)
住所
氏名 印
受贈者(乙)
住所
氏名 印
受贈者が未成年の場合は、親権者もご署名ください
住所
親権者 氏名 印
税金についての大切なお願い
贈与税は、財産を受け取った方にかかります。暦年課税では1年間に受け取った額の 合計が110万円以下であれば贈与税はかからず、申告も不要です。ただしこれは制度の一般的な説明で、 ご家庭ごとの有利不利とは別の話です。
相続が起きたとき、その前の一定期間内に受けた贈与は相続財産に加算されます。この加算される期間は、 2024年1月1日以後の贈与から、3年から7年へ段階的に延長されています。また、相続時精算課税を 選んだ場合には別の取り扱いになり、一度選ぶと暦年課税には戻せません。
どの方法が有利か、いくら贈与すべきか、申告が必要かどうかは、ご家族の構成と財産の状況によって 変わります。「ななえの手帖」は終活の伴走サービスのため、個別の税額計算や税務相談は承っておりません。ご判断の前に、必ず税理士にご相談ください。ご希望があれば、提携する税理士へお取次ぎします。