エンディングノートの書き方

エンディングノートの見直し|年に一度の棚卸しで確認する12項目

一度書いたエンディングノートは、そのままだと数年で使えなくなります。変わりやすい12項目のチェックリスト、見直す時期の決め方、制度が変わったときに直すところ、そして古い情報がかえって家族を困らせる理由をまとめました。

約4分で読めます・2026-09-06 公開

この記事の要点

  • エンディングノートは書いて終わりではありません。口座・契約・連絡先は思ったより変わります。
  • 古い情報は、書かれていないより家族を困らせることがあります。解約済みの口座を調べ直す手間が発生するためです。
  • 見直す日は誕生日や年末など、毎年必ず来る日に決めておきます。年賀状を書く時期は連絡先の確認と重なるので向いています。
  • 変わりやすいのは、口座・保険・契約とサブスク・連絡先・住所・かかりつけ医と常用薬・家族構成・財産の額・遺言書・医療や介護の希望の10種類です。
  • 相続登記の義務化や生前贈与の加算期間など、制度そのものが変わることもあります。年に一度は前提を確認してください。

エンディングノートは、書き上げた時点がゴールに見えます。ところが実際には、書いた瞬間から少しずつ古くなっていきます。

3年前に書いたノートを開くと、解約した口座、やめたサブスク、引っ越した友人の住所が並んでいる。これは珍しいことではありません。

古い情報は、書かれていないより困ることがある#

家族の立場で考えると分かります。ノートに「○○銀行△△支店」と書いてあれば、家族はその銀行へ行きます。すでに解約された口座なら、戸籍を集めて窓口に行った末に「該当なし」と言われることになります。

  • 解約済みの口座 — 手続きに行った先で空振りになる
  • 解約済みの保険 — 請求できると思って準備した書類が無駄になる
  • 亡くなった方の連絡先 — 訃報の電話をかけて気まずい思いをする
  • 古い医療の希望 — 本人の今の考えと違うまま判断されるおそれがある

年に一度、確認する12項目#

#項目確認すること
1預貯金の口座解約したもの、新しく作ったもの。ネット銀行を含めて
2保険満期・解約したもの、新しく入ったもの。受取人が今のままでよいか
3証券・投資証券会社、NISAなどの口座
4契約とサブスク1か月分の引き落とし明細を見れば拾えます
5クレジットカード解約したカード、増えたカード
6連絡先住所・電話番号の変更、亡くなった方
7自分の住所と本籍引っ越していないか
8かかりつけ医・常用薬変わりやすく、いざというとき最も使う情報
9家族構成結婚、出生、離婚、死亡。法定相続人が変わります
10財産のおおよその額基礎控除を超えていないか
11遺言書内容が今の考えと合っているか。保管場所は変わっていないか
12医療・介護の希望健康状態が変われば、考えも変わります

全部を毎年やる必要はありません。1・4・6の3つ(口座・契約・連絡先)が最も変わりやすいので、時間がない年はここだけでも十分です。

見直す日を、先に決めておく#

「気づいたときに」では、まず見直されません。毎年必ず来る日に紐づけてください。誕生日・年末。

  • 誕生日 — 忘れません。区切りとしても自然です
  • 年末 — 年賀状を書く時期。連絡先の確認と重なるので効率的です
  • 確定申告の時期 — 保険料控除証明書や取引報告書が手元に集まります
  • お盆や正月 — 家族が集まるタイミング。話をする機会にもなります

制度が変わることもあります#

自分の状況が変わらなくても、前提のほうが変わることがあります。近年でも、次のような変更がありました。

変更内容見直すところ
相続登記の義務化2024年4月から、取得を知った日から3年以内の申請が義務に名義がそのままの不動産がないか
生前贈与の加算期間相続前の贈与を加算する期間が3年から7年へ段階的に延長贈与の計画
相続時精算課税の見直し2024年から年110万円の基礎控除が新設贈与の方法の選択
戸籍の広域交付2024年から最寄りの市区町村でも請求できるように家族に伝えている手続きの説明

制度は改正されます。数値や期限を書き写している場合は、年に一度、国税庁や法務局の最新情報をご確認ください。

見直しは、家族と話す機会でもある#

ノートを開いて直す作業は、1人でもできます。ただ、年に一度だけでも家族に「更新したよ」と伝えると、それだけで意味が変わります。

内容を見せる必要はありません。「今年も書き直したから、場所はここね」の一言で、ノートの存在が家族の記憶に残り続けます。保管場所についてはエンディングノートの保管場所をご覧ください。

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まとめ#

  • 書いたままだと数年で使えなくなる。古い情報は家族を空振りさせる
  • 日付を必ず入れる。それだけで家族の扱い方が変わる
  • 時間がない年は、口座・契約・連絡先の3つだけでもよい
  • 見直す日は誕生日や年末など、毎年必ず来る日に紐づける
  • 自分の状況が変わらなくても、制度のほうが変わることがある

よくある質問

Q. 毎年書き直すのは大変です。何年おきならよいですか?
全項目を毎年直す必要はありません。口座・契約・連絡先の3つだけを毎年、それ以外は3年に一度でも十分です。ただし、結婚・離婚・出生・死亡といった家族構成の変化や、引っ越し、入院があったときは、その都度直してください。
Q. 古い記載を消すべきですか、それとも残すべきですか?
解約済みの口座や契約は、消すのではなく「○年○月解約」と書き添えて残すのがおすすめです。家族が通帳や郵便物を見つけたときに、対応済みかどうかが分かるためです。ただし、連絡先など数が多いものは消してかまいません。
Q. 遺言書も一緒に見直すべきですか?
内容が今の考えと合っているかは確認してください。ただし、書き直す場合は方式に従う必要があります。自筆証書遺言は全文を書き直すのが確実で、公正証書遺言は改めて作成し直します。遺言書の内容そのものはノートに書かず、「遺言書があること」と「保管の方法」だけを書いてください。
Q. 見直したことを家族に伝える必要はありますか?
内容までは不要ですが、「更新した」ということと「保管場所」は伝えてください。年に一度でも伝えていれば、ノートの存在が忘れられません。書いてあること自体が忘れられているのが、最も多い失敗です。

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一次情報の確認先

この記事に出てくる制度や数値は、次の機関が公表している情報にもとづいています。 制度は改正されることがあるため、実際の手続きの前に最新の内容をご確認ください。

  • 法務省相続・遺言・登記の制度
  • 国税庁相続税・贈与税・所得税の取扱い

記事に出てくる言葉の意味は用語集にまとめています

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。 制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁の最新情報をご確認いただくか、 税理士等の専門家にご相談ください。