# 遺言執行者とは｜指定するメリットと、誰に頼むべきか

> 遺言執行者を指定しておくと、預金の解約や不動産の名義変更を他の相続人の協力なしに進められます。指定するメリット、なれる人・なれない人、家族に頼む場合と専門家に頼む場合の違い、報酬の決め方までを解説します。

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- カテゴリ: 遺言書の書き方
- 公開: 2026-09-05
- 最終更新: 2026-09-05

## この記事の要点

- 遺言執行者を指定しておくと、預金の解約や不動産の名義変更を、他の相続人の協力なしに進められます。
- 子の認知と相続人の廃除は、遺言執行者にしかできません。
- 遺言執行者がいなくても遺言は有効です。必要になれば、相続人などが家庭裁判所に選任を申し立てられます。
- 相続人の1人を執行者にすることもできますが、不信感を招きやすいため、財産目録の交付と報告の義務を丁寧に果たします。
- 専門家に頼む場合の報酬は遺産の1％前後を目安に、最低金額を設けている例が多く見られます。遺言書の中で報酬を定めることもできます。

遺言執行者とは、**遺言の内容を実現する役割の人**です。遺言書に指定しておくことができ、指定しておくかどうかで、遺言が実現するまでの速さと確実さが大きく変わります。

遺言書を書くなら、必ず入れておきたい一文です。

## 指定するとどう変わるか

遺言執行者がいない場合、預金の解約や不動産の名義変更を、相続人が協力して進めることになります。全員の署名と実印が必要になる場面も出てきます。

内容に不満のある相続人が1人いれば、そこで止まります。「遺言があるのに手続きが進まない」という事態は、実際によく起きます。

| 手続き | 執行者がいない場合 | 執行者がいる場合 |
| --- | --- | --- |
| 預金の解約・払戻し | 相続人全員の協力が必要になることが多い | 執行者が単独でできる |
| 不動産の名義変更 | 遺贈の場合は相続人全員が義務者になる | 執行者が単独で申請できる |
| 株式や投資信託の移管 | 相続人全員の書類が必要 | 執行者が単独でできる |
| 遺言による認知 | —— | **執行者にしかできない** |
| 相続人の廃除・取消し | —— | **執行者にしかできない** |

> **執行者がいないとできない手続きがある**
>
> **遺言による認知**と**相続人の廃除・その取消し**は、遺言執行者だけが行えます。これらを遺言に書く場合、執行者の指定は必須です（指定がなければ、家庭裁判所に選任を申し立てることになります）。

## 執行者の権限と義務

遺言執行者は、相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を持ちます。そして重要な点として、**遺言執行者がいる場合、相続人は相続財産の処分など執行を妨げる行為ができません**。

一方で、次の義務も負います。

- 就任したことを、遅滞なく相続人に通知する
- 遅滞なく**財産目録を作成**し、相続人に交付する
- 相続人の求めがあれば、事務の処理状況を報告する
- 任務が終了したら、経過と結果を報告する

つまり、**相続人に対して透明性を保つ義務**があります。「執行者が勝手に進めてしまう」ということはありません。

## 誰がなれるか

なれない人は、**未成年者と破産者**だけです。それ以外は誰でもなれます。

- **相続人**（財産を受け取る子や配偶者本人でも構いません）
- **受遺者**（相続人以外で財産を受け取る人）
- **専門家**（弁護士・司法書士・税理士・信託銀行など）
- **法人**（信託銀行や法人化した専門家事務所）

> **公正証書遺言の証人とは条件が違います**
>
> 公正証書遺言の**証人**には推定相続人や受遺者はなれませんが、**遺言執行者**にはなれます。混同しやすいところです。

## 家族に頼むか、専門家に頼むか

|  | 家族（相続人など） | 専門家 |
| --- | --- | --- |
| 費用 | かからない（報酬を定めなければ） | 報酬が必要 |
| 手続きの負担 | 本人が実務を担う | 任せられる |
| 中立性 | 他の相続人から疑われることがある | 保たれやすい |
| 向いている場面 | 相続人が少なく、関係が良好 | 相続人が多い／疎遠／揉める可能性がある |

### 家族に頼む場合

費用はかかりませんが、財産目録の作成、金融機関ごとの解約手続き、不動産の登記申請と、実務の負担は小さくありません。平日に動ける方でないと厳しい面があります。

また、財産を多く受け取る人が執行者を兼ねると、他の相続人から「不透明だ」と見られやすくなります。関係が良好なご家庭向けの選択です。

### 専門家に頼む場合

報酬はかかりますが、手続きを任せられ、中立性も保たれます。相続人どうしが疎遠、遺言の内容に不満が出そう、財産の種類が多いといった場合は、こちらが安全です。

報酬は「遺産の○％」「最低○万円」といった形で定められるのが一般的です。**遺言書の中で報酬を定めておく**ことができ、そうしておくと後の争いを防げます。定めがない場合は、家庭裁判所が決めることになります。

## 指定するときの書き方

遺言書には、次のような一文を入れます。

- 「本遺言の遺言執行者として、長男 ○○（昭和○年○月○日生）を指定する。」
- 専門家を指定する場合は、氏名・生年月日・事務所の所在地まで書くと特定できます
- 「遺言執行者の報酬は、遺産の○％とする。」と定めておくこともできます

> **予備の執行者も書いておくと安心です**
>
> 指定した人が先に亡くなる、就任を辞退する、といったことも起こります。「○○が執行者に就任しないときは、△△を遺言執行者に指定する」と予備を書いておくと、家庭裁判所への選任申立てを避けられます。

## 就任を頼まれたら

遺言で指定されていても、**就任するかどうかは自由**です。断ることもできます。

ただし、いったん就任を承諾したら、正当な理由がなければ辞任できません（辞任には家庭裁判所の許可が要ります）。引き受ける前に、実務の負担を確認しておいてください。

遺言を書く側としては、**指定する前に本人へ話を通しておく**のが親切です。何も知らされずに指定されていた、という状況は、遺された側にとって負担になります。

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## まとめ

- 執行者がいると、**手続きを単独で進められる**
- **認知と廃除**は、執行者にしかできない
- なれないのは**未成年者と破産者**だけ。相続人でもなれる
- 相続人が多い・疎遠・揉めそうなら**専門家**が安全
- **報酬と予備の執行者**を遺言に書いておくと、後の争いを防げる
- 指定する前に、**本人に話を通しておく**

## よくある質問

### 遺言執行者を指定していない遺言は無効ですか？

無効ではありません。執行者がいなくても遺言は有効で、相続人が協力して内容を実現します。ただし手続きに全員の協力が必要になる場面が増えます。必要になれば、相続人などが家庭裁判所に選任を申し立てることもできます。

### 相続人の1人を執行者にすると、他の相続人が反対しませんか？

反対されても、遺言で指定されていれば執行者として職務を行えます。ただし不信感を招きやすいのは事実です。財産目録の交付と報告の義務を丁寧に果たすこと、あるいは最初から専門家を指定しておくことで、無用な摩擦を避けられます。

### 遺言執行者の報酬はいくらが相場ですか？

専門家や信託銀行によって幅がありますが、遺産の1％前後を目安に、最低金額を設けている例が多く見られます。財産の種類や相続人の数で変わるため、依頼前に見積りを取ってください。遺言書の中で報酬を定めておくこともできます。

### 執行者が仕事をしてくれません。

相続人は事務処理の状況について報告を求められます。それでも動かない場合、任務を怠るなどの正当な事由があれば、家庭裁判所に解任を請求できます。

## 一次情報の確認先

- [法務局](https://houmukyoku.moj.go.jp/)：相続登記・自筆証書遺言書保管制度
- [法務省](https://www.moj.go.jp/)：相続・遺言・登記の制度
- [e-Gov 法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/)：民法・相続税法などの条文

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
