# 遺言書の書き直しと撤回｜古い遺言との関係はどうなるか

> 遺言はいつでも書き直せます。新しい遺言と古い遺言が食い違ったらどうなるか、遺言書を破り捨てたときの扱い、書いた財産を生前に売った場合、公正証書を自筆で撤回できるか、法務局に預けた遺言の撤回手続きまで整理しました。

- URL: https://endingnote.nanae.me/guides/yuigon-kakinaoshi
- カテゴリ: 遺言書の書き方
- 公開: 2026-09-06
- 最終更新: 2026-09-06

## この記事の要点

- 遺言はいつでも自由に撤回でき、その理由を説明する必要もありません。撤回する権利を放棄することもできません。
- 新しい遺言が古い遺言と食い違う部分は、その部分だけ撤回したものとみなされます。食い違わない部分は古い遺言が生きたままです。
- 遺言書を故意に破り捨てると、その部分を撤回したものとみなされます。ただし公正証書は原本が公証役場にあるため、手元の正本を破っても撤回になりません。
- 遺言に書いた財産を生前に売ったり贈ったりした場合も、その部分は撤回したものとみなされます。
- 方式をまたいだ撤回もできます。公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。

一度書いた遺言書に縛られることはありません。**遺言はいつでも、何度でも書き直せます**。理由を説明する必要もなく、誰かの同意も要りません。

ただし、書き直し方によっては**古い遺言が生き残り**、あとで解釈をめぐって争いになることがあります。確実に上書きするための書き方を整理します。

## 撤回は自由｜放棄もできません

遺言者はいつでも遺言の全部または一部を撤回できます。しかも、**この撤回する権利を放棄することはできません**。「この遺言は今後撤回しない」と書いても、その部分は効力を持ちません。

家族に「もう書き直さないと約束して」と言われても、法律上その約束に拘束力はない、ということです。

## 古い遺言はどうなるか

ここが最も誤解されやすいところです。**新しい遺言を書いても、古い遺言が自動的に全部消えるわけではありません**。

> **食い違う部分だけが撤回されます**
>
> 前の遺言と後の遺言が抵触する部分については、**その部分だけ**、後の遺言で撤回したものとみなされます。食い違わない部分は、古い遺言がそのまま生きています。

| 古い遺言 | 新しい遺言 | 結果 |
| --- | --- | --- |
| 自宅は長男に | 自宅は次男に | 自宅は**次男**（食い違うので上書き） |
| 自宅は長男に／預金は次男に | 自宅は次男に | 自宅は次男、**預金は次男のまま**（古い遺言が生きる） |
| 全財産を妻に | 自宅は長男に | 自宅は長男、**その他は妻** |

意図せず古い遺言が残ると、相続人が2通を見比べて解釈することになります。**確実なのは、新しい遺言の冒頭に撤回する旨を書くこと**です。

> **書き方の例**
>
> **第1条　遺言者は、令和○年○月○日付けで作成した遺言書（○○法務局保管／○○公証役場作成 令和○年第○号）を全部撤回する。**——このように、**いつ作った、どの遺言か**を特定して書きます。日付だけでなく、保管先や公証役場の番号まで書けば確実です。

## 書く以外の撤回のしかた

新しい遺言を書かなくても、撤回とみなされる行為があります。

### ① 遺言書を破棄する

遺言者が**故意に**遺言書を破り捨てた場合、その部分を撤回したものとみなされます。

- **自筆証書遺言（自宅保管）** — 破れば撤回になります
- **公正証書遺言** — 手元の正本を破っても撤回になりません。原本が公証役場にあるためです
- **法務局に預けた自筆証書遺言** — 手元に控えを持っていても、それを破るだけでは撤回になりません。保管の申請を撤回する手続きが必要です

### ② 書いた財産を生前に処分する

「自宅を長男に相続させる」と書いたあとで、その自宅を生前に売った。この場合、遺言と行為が食い違うので、**その部分は撤回したものとみなされます**。

ただし、売却代金がどうなるかまでは遺言に書かれていないので、**その資金の行き先は決まらないまま**になります。財産を処分したら、遺言も見直してください。

### ③ 目的物を故意に壊す

遺贈するとした物を遺言者が故意に破壊した場合も、その部分は撤回とみなされます。

## 方式をまたいでも撤回できます

**公正証書遺言を、自筆証書遺言で撤回することもできます**。方式が同じである必要はありません。

ただし実務では、**費用をかけて作った公正証書を、方式の不備が起きやすい自筆で撤回する**のは危険です。自筆証書の要件（全文自書・日付・氏名・押印）を1つでも欠けば無効になり、古い公正証書がそのまま生きてしまいます。

> **公正証書は公正証書で書き直すのが安全**
>
> 費用はかかりますが、**同じ方式で作り直す**のが確実です。公証役場では、前の遺言を撤回したうえで新しい内容を定める形にしてもらえます（[公正証書遺言の作り方](https://endingnote.nanae.me/guides/kousei-shousho-yuigon)）。

## 法務局に預けた遺言を撤回するとき

自筆証書遺言書保管制度を使っている場合、次の2つは別のものです。

- **保管の申請を撤回する** — 法務局から遺言書を返してもらう手続き。**本人が出向く必要があります**。これだけでは遺言の効力は消えません
- **遺言そのものを撤回する** — 新しい遺言を書く、返してもらった遺言書を破棄する

内容を変えたいだけなら、**新しい遺言書を書いて預け直す**のが分かりやすい方法です。

## 見直しのきっかけ

- **家族構成が変わった** — 結婚、離婚、出生、相続人が先に亡くなった
- **財産が変わった** — 不動産を売った、口座を解約した、大きく増減した
- **気持ちが変わった** — 介護をしてくれた人への配慮など
- **制度が変わった** — 生前贈与の加算期間、相続登記の義務化など

書いた遺言が今の考えと合っているかは、年に一度でも確認しておいてください（[エンディングノートの見直し](https://endingnote.nanae.me/guides/ending-note-minaoshi)）。

## まとめ

- 遺言はいつでも撤回できる。撤回する権利を放棄することはできない
- 新しい遺言で消えるのは**食い違う部分だけ**。古い遺言が生き残ることがある
- 確実にするには、冒頭で**前の遺言を特定して全部撤回する**と書く
- 公正証書は手元の正本を破っても撤回になりません。法務局保管も同じ
- 書いた財産を生前に処分すれば、その部分は撤回とみなされる

## よくある質問

### 古い遺言書は捨てたほうがよいですか？

新しい遺言で全部撤回する旨を書いたうえで、古いものを処分するのが確実です。2通が残っていると、相続人が見比べて解釈することになり、争いのもとになります。ただし公正証書の場合は原本が公証役場に残るため、手元の正本を捨てても記録は残ります。

### 遺言書を2通書いてしまいました。どちらが有効ですか？

日付が新しいほうが優先されますが、消えるのは食い違う部分だけです。食い違わない部分は古い遺言も有効なままです。まず両方の内容を並べて、どこが食い違うかを確認してください。判断に迷う場合は、あらためて1通にまとめ直すのが確実です。

### 認知症が進んでからでも書き直せますか？

遺言をするには遺言能力が必要です。認知症の診断があるだけで一律に無効になるわけではありませんが、後から能力の有無が争われやすくなります。公証人が作成に応じないこともあります。判断能力があるうちに書き直しておくのが確実です。

### 遺言書の一部だけ直したいのですが。

自筆証書遺言には厳格な訂正の作法があり、方式を誤ると訂正が無効になったり、遺言自体の効力が争われたりします。分量が多くなければ、全文を書き直すほうが確実です。公正証書の場合は、変更する部分について新たに公正証書を作成します。

## 一次情報の確認先

- [法務局](https://houmukyoku.moj.go.jp/)：相続登記・自筆証書遺言書保管制度
- [法務省](https://www.moj.go.jp/)：相続・遺言・登記の制度
- [e-Gov 法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/)：民法・相続税法などの条文

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
