# 取得費加算の特例｜相続税を払った人が使える3年10か月の枠

> 相続税を納めた人が相続財産を売ると、払った相続税の一部を取得費に上乗せできます。使えるのは相続税の申告期限の翌日から3年以内、つまり相続開始からおよそ3年10か月まで。計算式、いくら減るのか、空き家の特例との使い分けまで解説します。

- URL: https://endingnote.nanae.me/guides/shutokuhi-kasan
- カテゴリ: 相続した不動産の扱い
- 公開: 2026-09-10
- 最終更新: 2026-09-10

## この記事の要点

- 相続税を納めた人が相続財産を売ったとき、納めた相続税のうち売った財産に対応する分を取得費に加算できます。
- 期限は相続税の申告期限の翌日から3年以内。相続開始日から数えると、およそ3年10か月です。
- 相続税がゼロだった人は使えません。基礎控除の範囲内で相続税がかからなかった場合は対象外です。
- 加算できるのは、その財産に対応する相続税額まで。譲渡所得の金額を超えて加算することはできません。
- 空き家の3,000万円特別控除とは選択適用です。どちらが有利かを計算して選びます。

相続税を納めたうえに、その財産を売ったらまた税金がかかる。二重に取られている気がする——そう感じる方は多いはずです。その負担をやわらげるのが**取得費加算の特例**です。

納めた相続税のうち、売った財産に対応する分を**取得費に上乗せ**できます。取得費が増えれば、その分だけ譲渡所得が減り、税額も下がります。

## 使える人、使えない人

| 条件 | 内容 |
| --- | --- |
| 相続や遺贈で取得した財産であること | 生前贈与で受け取ったものは対象外です |
| 相続税を納めていること | 基礎控除内で相続税がゼロだった人は使えません |
| 期限内に売ること | 相続税の申告期限の翌日から3年以内 |

いちばん多い勘違いが「相続したから使える」というものです。**相続税を実際に納めた人だけ**の特例なので、相続税がかからなかった場合は対象外です。

## 期限は「3年10か月」で覚える

正確には「相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」です。相続税の申告期限が相続開始を知った日の翌日から10か月なので、合わせて**およそ3年10か月**と覚えられます。

- 2026年5月10日に相続開始 → 相続税の申告期限は2027年3月10日
- その翌日から3年 → **2030年3月10日**までに売却
- 不動産の売却は買主探しに時間がかかります。逆算して動く必要があります

> **売却のタイミングは「引き渡し」で見ます**
>
> 譲渡の日は原則として引き渡しの日です（契約日を選ぶこともできます）。期限ぎりぎりの場合は、契約から引き渡しまでの期間も見込んでおいてください。

## いくら加算できるのか

加算できる金額は、次の考え方で計算します。ひとことで言えば「**自分が払った相続税のうち、売った土地の分**」です。

- 自分が納めた相続税額に、
- 自分の課税価格のうち売った財産の価額が占める割合を掛ける
- （債務控除がある場合は、分母にその金額を足して計算します）

### 計算してみます

| 項目 | 金額 |
| --- | --- |
| 納めた相続税額 | 600万円 |
| 自分の相続税の課税価格 | 6,000万円 |
| そのうち売った土地の相続税評価額 | 2,000万円 |
| 取得費に加算できる金額 | 600万円 × 2,000万円 ÷ 6,000万円 ＝ 200万円 |

この200万円が取得費に上乗せされます。長期譲渡（税率20.315％）なら、**税額は約40万円下がる**計算です。

> **加算できるのは譲渡所得の金額まで**
>
> 取得費加算によって譲渡所得がマイナスになることはありません。計算上の加算額が譲渡所得より大きい場合、譲渡所得がゼロになるところで止まります。

## 空き家の特例とは、どちらか一方

相続した実家を売る場合、[空き家の3,000万円特別控除](https://endingnote.nanae.me/guides/akiya-3000man-koujo)も候補になります。ただし両方は使えないので、**どちらが有利かを計算して選びます**。

| 状況 | 有利になりやすいほう |
| --- | --- |
| 相続税を納めていない | 空き家の特例（取得費加算は使えません） |
| 相続税は少額、譲渡益が大きい | 空き家の特例 |
| 多額の相続税を納めた、空き家の要件を満たさない | 取得費加算 |
| 売却価額が1億円を超える | 取得費加算（空き家の特例は使えません） |

空き家の特例は要件が細かく、築年数や同居の有無で使えないことが多い制度です。使えない場合でも取得費加算は残るので、必ず両方を検討してください。

## 手続き

売った翌年の確定申告で、譲渡所得の内訳書に加えて**「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」**を提出します。相続税の申告書の控えが必要になるので、保管場所を確認しておいてください。

- 相続税の**申告書の控え**（自分の相続税額と課税価格が分かるもの）
- 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
- 譲渡所得の内訳書、売買契約書の写し

[書類の保管場所を残す](https://endingnote.nanae.me/note)

そもそも相続税がいくらかかるかを試算したい方は[相続税シミュレーター](https://endingnote.nanae.me/tax)を、譲渡所得そのものの計算は[譲渡所得の計算と税率](https://endingnote.nanae.me/guides/jouto-shotoku-keisan)をご覧ください。

## よくある質問

### 相続税がゼロでした。取得費加算は使えますか？

使えません。この特例は納めた相続税の一部を取得費に振り替えるものなので、納税額がなければ加算する金額もありません。空き家の3,000万円特別控除など、別の特例を検討してください。

### 3年10か月を1日でも過ぎたら使えませんか？

使えません。期限を延ばす制度はないので、売却スケジュールは余裕を持って組んでください。買主が見つからない期間も見込む必要があります。

### 複数の不動産を相続しました。売った物件の分だけ加算するのですか？

そのとおりです。自分が納めた相続税額のうち、売った財産の相続税評価額が課税価格に占める割合分だけを加算します。複数を売れば、それぞれについて計算します。

### 相続した株式を売った場合にも使えますか？

使えます。この特例は不動産に限らず、相続で取得した財産全般が対象です。ただし期限は同じく相続税の申告期限の翌日から3年以内です。

## 一次情報の確認先

- [国税庁](https://www.nta.go.jp/)：相続税・贈与税・所得税の取扱い
- [国土交通省](https://www.mlit.go.jp/)：不動産取引・土地の価格・空き家対策
- [法務局](https://houmukyoku.moj.go.jp/)：相続登記・自筆証書遺言書保管制度

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
