# 任意後見の始め方｜契約の流れ・費用・効力が生じるまで

> 任意後見は、判断能力があるうちに支援する人と内容を決めておく制度です。公正証書で契約する手順、将来型・移行型・即効型の使い分け、費用の目安、任意後見監督人が選ばれて効力が生じるまでの流れ、そして取消権がないという弱点まで解説します。

- URL: https://endingnote.nanae.me/guides/nini-kouken
- カテゴリ: 家族信託・認知症への備え
- 公開: 2026-09-06
- 最終更新: 2026-09-06

## この記事の要点

- 任意後見は判断能力があるうちにしか契約できません。低下してからでは法定後見しか選べなくなります。
- 契約は公正証書で結ぶ必要があり、内容は法務局に登記されます。
- 契約しただけでは効力は生じません。判断能力が低下した後、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、選ばれた時点で効力が生じます。
- 公正証書の作成にかかる実費は、手数料11,000円と登記の嘱託手数料1,400円、印紙2,600円などで、合計2万円弱が目安です。
- 任意後見には取消権がありません。本人が不利な契約をしてしまっても、後から取り消すことはできません。

「判断能力が落ちたときに、誰にどう支えてほしいか」を、元気なうちに自分で決めておく。それが任意後見です。

判断能力が失われてから始まる法定後見と違い、**支援する人も、任せる内容も、自分で選べます**。ただし、契約できるのは判断能力があるうちだけです。

## 契約から効力が生じるまで

いちばん誤解されやすいのがここです。**契約した時点では、まだ何も始まりません**。

1. **任せる人と内容を決める** — 財産の管理、施設の契約、医療費の支払いなど
2. **公証役場で公正証書にする** — 公証人が本人の意思と判断能力を確認します
3. **法務局に登記される** — 公証人が手続きします。契約の存在が公的に記録されます
4. **（ここから何年か経つ）**
5. **判断能力が低下したら、家庭裁判所へ申し立てる** — 任意後見監督人を選んでもらいます
6. **監督人が選ばれた時点で、契約の効力が生じる** — ここでようやく任意後見人として動けます

> **申し立てる人がいないと、始まりません**
>
> 判断能力が低下しても、誰かが家庭裁判所へ申し立てなければ任意後見は始まりません。契約を結んだ相手（任意後見受任者）や親族が申し立てます。**契約したことを、家族にも伝えておいてください**。

## 3つの型

任意後見だけでは、契約から効力が生じるまでの間が空白になります。そこを埋めるために、他の契約と組み合わせるのが実務です。

| 型 | 組み合わせ | 向いている場合 |
| --- | --- | --- |
| 将来型 | 任意後見契約だけ | 今は元気で、支えてくれる家族が身近にいる |
| 移行型 | 見守り契約・財産管理委任契約 ＋ 任意後見契約 | **最も多い形**。判断能力が落ちる前から支援を受けたい |
| 即効型 | 契約後すぐに監督人の選任を申し立てる | 判断能力が低下しはじめているが、契約はできる状態 |

即効型は、契約時に判断能力があったかどうかが後で争いになりやすい形です。慎重に検討してください。

### 見守り契約と財産管理委任契約

- **見守り契約** — 定期的に連絡や訪問をして、判断能力の低下に気づけるようにする契約。これがないと、申立ての時期を逃します
- **財産管理委任契約** — 判断能力はあるが体が動かしにくい段階で、支払いなどを代行してもらう契約

## 費用

| 項目 | 目安 | 備考 |
| --- | --- | --- |
| 公正証書の作成手数料 | 11,000円 | 公証役場に支払う |
| 登記の嘱託手数料 | 1,400円 | 公証人が手続きします |
| 登記の印紙代 | 2,600円 |  |
| 正本・謄本の作成 | 数千円程度 | 枚数による |
| 専門職に依頼した場合の報酬 | 10万〜30万円程度 | 契約書の作成と手続きの支援 |
| 任意後見人の報酬 | 契約で定める | 家族なら無報酬とすることも多い |
| 任意後見監督人の報酬 | 月1万〜3万円程度 | 家庭裁判所が決めます。効力が生じている間ずっと |

公正証書の実費だけなら2万円弱です。専門職に契約書の作成から頼むかどうかで、総額は大きく変わります。

見落としやすいのが**監督人の報酬**です。任意後見人を家族にして無報酬にしても、監督人は必ず選ばれ、その報酬は効力が続く限り発生します。

## 契約に入れておきたいこと

- **財産管理の範囲** — 預貯金、不動産、有価証券。どこまで任せるか
- **身上監護の範囲** — 施設の入所契約、医療の手続き、介護サービスの契約
- **居住用不動産を売ってよいか** — 施設入所の費用に充てる場合など。書いておくと判断しやすくなります
- **報酬の有無と金額**
- **受任者が先に亡くなった場合** — 予備の受任者を決めておく

## 弱点｜取消権がありません

任意後見の最も大きな弱点です。法定後見の後見人には**取消権**があり、本人が結んでしまった不利な契約を後から取り消せます。任意後見人にはこの権限がありません。

訪問販売で高額な商品を買ってしまった、不要なリフォーム契約を結んでしまった。こうした場面で、任意後見では対応しきれないことがあります。**消費者被害の心配が強い場合は、法定後見のほうが守りが厚い**という判断もあり得ます。

> **家族信託との使い分け**
>
> 任意後見は身上監護（施設の契約や医療の手続き）ができる一方、財産の積極的な運用や処分には向きません。家族信託は財産の管理と処分に強い一方、身上監護はできません。**両方を組み合わせる**設計も実務ではよく使われます（[家族信託・成年後見・遺言の使い分け](https://endingnote.nanae.me/guides/kazoku-shintaku-vs-kouken)）。

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## まとめ

- 契約できるのは判断能力があるうちだけ。低下後は法定後見しか選べない
- **契約しただけでは効力は生じない**。監督人が選ばれてから
- 実務では**移行型**（見守り契約＋財産管理委任＋任意後見）が最も多い
- 公正証書の実費は2万円弱。ただし監督人の報酬が効力が続く間ずっとかかる
- 取消権がない。消費者被害の心配が強いなら法定後見も検討する

## よくある質問

### 任意後見人は誰に頼めますか？

家族でも、司法書士・弁護士・社会福祉士などの専門職でも、法人でもかまいません。ただし、破産者や本人に対して訴訟をしたことがある人などはなれません。頼める親族がいない場合は、専門職や法人と契約する形になります。

### 契約したあと、やめられますか？

できます。効力が生じる前（監督人が選ばれる前）であれば、公証人の認証を受けた書面で、いつでも解除できます。効力が生じた後は、正当な理由があるときに家庭裁判所の許可を得て解除します。

### 任意後見と法定後見、両方使うことはありますか？

原則として任意後見が優先されます。ただし、本人の利益のために特に必要があると家庭裁判所が認めた場合には、法定後見が開始され、任意後見契約は終了します。取消権が必要になった場合などが想定されています。

### 監督人は必ず付きますか？

必ず付きます。任意後見は本人が選んだ人に任せる制度なので、その分だけ第三者の監督が必要とされているためです。監督人は家庭裁判所が選任し、任意後見人の事務を確認して裁判所に報告します。報酬も発生します。

## 一次情報の確認先

- [法務省](https://www.moj.go.jp/)：相続・遺言・登記の制度
- [厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/)：健康保険・介護保険・成年後見
- [e-Gov 法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/)：民法・相続税法などの条文

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
