# 家族信託の始め方｜手続きの流れ・契約書に入れる条項・費用

> 家族信託を始めるまでの手順を、家族会議から信託口口座の開設まで順に解説します。信託契約書に必ず入れたい条項、公正証書にする理由、信託登記、金融機関選びの注意点、組成後に続く受託者の義務までまとめました。

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- カテゴリ: 家族信託・認知症への備え
- 公開: 2026-09-05
- 最終更新: 2026-09-05

## この記事の要点

- 家族信託は、目的の整理、家族会議、受託者と信託財産を決める、契約書の作成、信託口口座の開設、不動産の信託登記、の順に進めます。
- 契約書は公正証書にします。公証人が本人の意思と判断能力を確認するため、後から認知症で無効だったと争われにくくなります。
- 信託口口座を扱う金融機関は限られるため、契約の前に確認しておきます。
- 年金は受給者本人の口座に振り込まれる必要があるため、年金そのものは信託できません。
- 受託者には、信託財産を自分の財産と分けて管理する義務と、年1回受益者に報告する義務が続きます。

家族信託は、契約書に押印すれば終わりではありません。信託口口座の開設や不動産の信託登記まで済ませて、はじめて機能します。この記事では、着手から運用開始までの流れを順に見ていきます。

## 全体の流れ

1. **目的をはっきりさせる** — 何のために信託するのか
2. **家族会議を開く** — 受託者を決め、他の家族の理解を得る
3. **専門家に相談する** — 設計を詰める
4. **信託財産と受託者を決める**
5. **信託契約書を作成する**（公正証書にするのが一般的）
6. **信託口口座を開設する**
7. **不動産があれば信託登記をする**
8. **財産を移す** — 金銭を信託口口座へ
9. **運用開始** — 受託者による管理と、年1回の報告

相談開始から運用開始まで、**2〜4か月程度**が目安です。金融機関の審査に時間がかかることが多く、ここが全体の期間を左右します。

## ステップ1｜目的をはっきりさせる

最初にやるべきは制度の勉強ではなく、**目的の言語化**です。目的が曖昧なまま契約書を作ると、後で「この場合はどうするのか」が決まっていない、という事態になります。

- 認知症になっても実家を売れるようにしたい
- 賃貸物件の管理と修繕を止めずに続けたい
- 障害のある子の生活を、自分の死後も支えたい
- 先祖代々の土地を、2代先まで血族に残したい

この目的が、そのまま契約書の「信託目的」の条項になります。受託者の権限の範囲も、ここから決まります。

## ステップ2｜家族会議

**信託を組むこと自体は、他の家族の同意がなくてもできます。** 委託者と受託者の契約だからです。

それでも家族会議を勧めるのは、**後で揉めるから**です。名義が長男に移っていることを他の子が後から知り、「勝手に財産を移した」と受け取られる。これは実際によくある展開です。

説明しておきたいのは3点です。

1. **名義は移るが、受託者のものになるわけではない**こと（受益者は父のまま）
2. **なぜ信託するのか**（認知症で凍結されると全員が困る）
3. **最終的に誰が承継するのか**（信託終了時の帰属先）

## ステップ3｜受託者と信託財産を決める

### 受託者を選ぶときの視点

- **年齢** — 何十年も続く可能性がある。委託者と年齢が近い人は避ける
- **居住地** — 不動産の管理や金融機関の手続きで動ける距離か
- **実務能力** — 帳簿を作り、年1回報告できるか
- **信頼関係** — 他の家族から見ても納得感があるか

> **第二受託者を必ず定めておく**
>
> 受託者が先に亡くなる、病気になる、辞任する。いずれも起こり得ます。**受託者が欠けた状態が1年続くと信託は終了**してしまうため、契約書に第二受託者（予備）を定めておくのが実務の定石です。

### 信託する財産を選ぶ

| 財産 | 信託できるか | 備考 |
| --- | --- | --- |
| 現金 | ○ | 信託口口座へ移す |
| 不動産 | ○ | 信託登記が必要 |
| 未上場株式 | ○ | 事業承継で使われる |
| 上場株式・投資信託 | △ | 対応している証券会社が限られる |
| **預金債権そのもの** | × | 譲渡禁止特約があるため、金銭として信託する |
| **年金受給権** | × | 受給者本人の口座に振り込まれる必要がある |
| **借入金などの債務** | × | 信託財産は積極財産のみ |

「預金を信託する」というのは、正確には**口座そのものを移すのではなく、引き出した金銭を信託口口座に入れる**という手続きになります。

## ステップ4｜契約書に入れる条項

信託契約書に、最低限入れておきたい項目です。

| 条項 | 内容 |
| --- | --- |
| 信託目的 | 何のための信託か。受託者の権限の範囲を画する |
| 信託財産 | 不動産は登記事項証明書のとおりに特定する |
| 委託者・受託者・受益者 | 氏名・生年月日・住所 |
| **第二受託者** | 受託者が欠けた場合の後任 |
| 受託者の権限 | 売却、賃貸、修繕、借入をどこまで認めるか |
| 信託報酬 | 受託者に報酬を払うかどうか（無報酬でも可） |
| **受益者連続** | 受益者が亡くなった後、誰が受益権を取得するか |
| **信託の終了事由** | いつ信託を終わらせるか |
| **残余財産の帰属先** | 終了時に、残った財産を誰が取得するか |
| 信託監督人・受益者代理人 | 必要に応じて設置する |

> **「終了事由」と「帰属先」の書き忘れが多い**
>
> ここが空白だと、信託が終わったときに財産の行き先が決まらず、結局は遺産分割協議が必要になります。信託を組んだ意味が薄れてしまうため、必ず定めてください。

### 公正証書にする理由

信託契約書は公正証書でなくても有効ですが、**実務ではほぼ公正証書**にします。理由は3つです。

1. **金融機関が求める** — 信託口口座の開設条件になっていることが多い
2. **契約能力の確認** — 公証人が本人の意思と判断能力を確認するため、後から「認知症で無効」と争われにくい
3. **紛失・改ざんの防止** — 原本が公証役場に保管される

## ステップ5｜信託口口座の開設

**ここが最大の関門**です。

信託口口座とは、受託者が信託財産を分別管理するための専用口座です。受託者個人の財産と混ざらないようにするために必要で、受託者が破産したり亡くなったりしても、信託財産は守られます。

ところが、**対応している金融機関が限られます**。地域によっては選択肢がほとんどないこともあります。

- 契約書の**文案を事前に金融機関に確認**してもらう必要がある（審査に数週間かかることも）
- **最低預入額**が設定されている場合がある
- **口座開設手数料**がかかる場合がある
- 金融機関ごとに要件が異なる

> **金融機関の確認は、設計と並行して進める**
>
> 契約書を完成させてから金融機関に持ち込むと、「この条項では受けられない」と言われて作り直しになります。**設計段階から金融機関と並行して詰める**のが、遠回りに見えて最短です。

### 「信託口口座」ではない口座での運用は避ける

受託者個人名義の別口座を使う運用も見られますが、これは分別管理として不十分です。受託者が亡くなればその口座は凍結され、受託者の債権者に差し押さえられるリスクもあります。信託を組む意味が損なわれます。

## ステップ6｜不動産の信託登記

不動産を信託する場合、**所有権移転および信託の登記**を行います。登記事項証明書には、受託者の名前とともに「信託」と記載され、信託目録が作られます。

- **所有権移転の登記自体は非課税**（信託による移転のため）
- **信託の登記**について、固定資産税評価額に対する登録免許税がかかる（土地と建物で税率が異なり、軽減措置が設けられている場合があります）
- 司法書士に依頼する場合は、その報酬が別途必要

税率や軽減措置は改正されることがあるため、実行前に最新の内容をご確認ください。

## 組成後にやること

信託は組んで終わりではありません。受託者には継続的な義務があります。

- **分別管理** — 信託口口座で管理し、個人の財産と混ぜない
- **帳簿の作成** — 収支を記録する
- **年1回の報告** — 財産状況を受益者に報告する
- **信託の計算書の提出** — 一定の要件に該当する場合、税務署へ提出する

この負担を軽く見て引き受けると、後で行き詰まります。専門家に継続的なサポートを依頼できるか、組成時に確認しておくと安心です。

[財産を書き出してみる](https://endingnote.nanae.me/note)

## 信託しない財産の手当てを忘れずに

家族信託でカバーできるのは、**信託した財産だけ**です。次の2つを併せて用意しておかないと、穴が残ります。

1. **遺言書** — 信託していない財産の承継先を決める（[遺言書が必要な人](https://endingnote.nanae.me/guides/yuigon-hitsuyou)）
2. **任意後見契約** — 身上監護と、信託していない財産に備える（[家族信託・成年後見・遺言の使い分け](https://endingnote.nanae.me/guides/kazoku-shintaku-vs-kouken)）

## よくある質問

### 家族信託は自分たちだけで組めますか？

法律上は可能ですが、おすすめしません。信託口口座の開設要件、信託登記、税務の影響、契約書の条項の抜け漏れなど、専門的な判断が多くあります。とくに終了事由と残余財産の帰属先の書き漏れは致命的で、信託を組んだ意味が失われます。

### 受託者に報酬を払う必要はありますか？

無報酬でも構いません。家族が受託者になる場合、無報酬とすることが多いです。ただし長期にわたる負担を考えて報酬を定めることもできます。なお、報酬を得て業として反復継続的に受託するには信託業の免許が必要なため、専門家が受託者になることは基本的にできません。

### 信託した後でも、内容を変更できますか？

契約に変更の方法を定めておけば変更できます。定めがない場合は、原則として委託者・受託者・受益者の合意が必要です。委託者の判断能力が失われると変更が難しくなるため、契約書に変更手続の条項を入れておくことが重要です。

### 信託を途中でやめることはできますか？

契約に定めた終了事由に該当すれば終了します。また、委託者と受益者の合意による終了も可能です（契約に別段の定めがある場合を除きます）。終了時には、残余財産が契約で定めた帰属先に移り、不動産があれば信託登記を抹消する手続きが必要です。

## 一次情報の確認先

- [法務省](https://www.moj.go.jp/)：相続・遺言・登記の制度
- [厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/)：健康保険・介護保険・成年後見
- [e-Gov 法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/)：民法・相続税法などの条文

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
