# 親の介護費用を誰がどう払うか｜立て替えの記録と、相続での精算

> 介護費用は原則として親本人の財産から出します。口座が凍結されたときの手当て、子が立て替えた場合の記録の残し方、扶養義務ときょうだい間の分担、そして寄与分や特別寄与料で相続のときに考慮される範囲まで整理しました。

- URL: https://endingnote.nanae.me/guides/kaigo-hiyou
- カテゴリ: 家族信託・認知症への備え
- 公開: 2026-09-06
- 最終更新: 2026-09-06

## この記事の要点

- 介護費用は原則として親本人の財産から支払います。子に法律上の支払い義務があるのは、自分の生活を維持したうえで余力がある範囲です。
- 判断能力が低下すると本人の口座は凍結され、家族でも引き出せなくなります。元気なうちに代理人サービスを届け出ておくのが最も安く済む備えです。
- 子が立て替えた場合は、領収書と、いつ何にいくら使ったかのメモを必ず残します。記録がないと、相続のときに精算を求める根拠になりません。
- 介護に貢献した相続人は寄与分を主張できますが、認められるのは通常の親族としての世話を超える貢献に限られます。
- 相続人でない親族（子の配偶者など）が無償で介護した場合は、特別寄与料として相続人へ金銭を請求できます。

介護が始まると、費用の問題は必ず出てきます。「誰が払うのか」「立て替えた分は戻ってくるのか」「きょうだいで差が出たらどうするのか」。

この記事は、法律上の建前と、実務で揉めないための記録の残し方の両方を整理しています。

## 原則｜本人の財産から出す

介護費用は、**親本人の財産と収入（年金など）から支払う**のが原則です。子には民法上の扶養義務がありますが、これは**自分の生活を維持したうえで余力がある範囲**の義務とされています。

子が自分の生活を切り詰めてまで負担する義務はありません。まず本人の財産を確認するところから始めてください。

> **本人の財産が動かせないという壁**
>
> 判断能力が低下すると、本人の口座は凍結されます。**お金はあるのに使えない**という状態です。これが介護費用でいちばん多い行き詰まり方です（[認知症による資産凍結への備え](https://endingnote.nanae.me/guides/ninchishou-shisan-touketsu)）。

## 口座が動かせないときの手当て

| 手段 | 始められる時期 | 費用 |
| --- | --- | --- |
| 金融機関の**代理人サービス** | 本人が元気なうち | 多くは無料 |
| 家族信託 | 本人が元気なうち | 数十万円 |
| 任意後見 | 本人が元気なうち | 実費2万円弱＋監督人の報酬 |
| **法定後見** | 判断能力が低下した後 | 実費1万円弱＋専門職なら月2万円〜 |

上の3つは判断能力があるうちにしか始められません。低下してからは、いちばん下しか残りません。

費用をかけずにできるのは、いちばん上の[金融機関の代理人サービス](https://endingnote.nanae.me/guides/yokin-dairinin)です。介護が現実味を帯びてきたら、まずこれを届け出ておいてください。

## 立て替えたら、必ず記録を残す

実務でいちばん効くのがここです。**記録がなければ、あとから精算を求められません**。

- **領収書を取っておく** — 施設費、医療費、おむつ代、交通費
- **日付・内容・金額のメモ** — 表計算ソフトでも手帳でもかまいません
- **支払った口座を分ける** — 立て替え専用の口座を作ると、後から説明しやすくなります
- **きょうだいに定期的に共有する** — 月1回でも報告しておくと、使い込みを疑われません

> **本人のお金を預かって払う場合も同じ**
>
> 本人の通帳を預かって介護費用を払っている場合も、記録は必須です。**何に使ったか説明できない出金**は、相続のときに他の相続人から使い込みを疑われ、争いの原因になります。

## きょうだい間の分担

法律は「誰がいくら」とは決めていません。話し合いで決め、まとまらなければ家庭裁判所の調停になります。実際には次の形が多く見られます。

- **同居して身の回りの世話をする人**と、**費用を多く出す人**で役割を分ける
- **本人の財産から出し、不足分だけを分担する**
- **遠方のきょうだいが交通費や一時的な帰省で補う**

大事なのは、**決めた内容と実績を残しておく**ことです。口約束のままだと、相続のときに「言った・言わない」になります。

## 相続のときに考慮される範囲

### 寄与分（相続人の場合）

寄与分は、被相続人の財産の維持や増加に**特別に貢献した相続人**に、法定相続分へ上乗せして認められる取り分です。

- **認められにくい** — 通常の親族としての世話や、たまの見舞いでは足りません
- **認められやすい** — 仕事を辞めて介護に専念した、本人が負担すべき費用を長期間肩代わりした、といった場合
- **金額の根拠が要る** — 介護サービスを使った場合の費用と比べる、といった計算をします

### 特別寄与料（相続人でない親族の場合）

長男の妻のように、**相続人ではない親族**が無償で介護をした場合、相続人に対して金銭を請求できる制度です。2019年に設けられました。

- 対象は**親族**（六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族）。内縁の相手は対象外です
- **無償**であることが必要。報酬を受け取っていた場合は対象外
- 請求の期限は、**相続の開始と相続人を知った時から6か月**、相続開始から1年以内

> **確実にしたいなら、遺言書で**
>
> 寄与分も特別寄与料も、認められるとは限らず、金額も争いになります。介護をしてくれた人に確実に報いたいなら、**遺言書で財産を渡すのがいちばん確実**です。理由を付言事項に書いておけば、他の相続人の納得にもつながります（[遺言書の文例集](https://endingnote.nanae.me/guides/yuigon-bunrei)）。

## 負担を軽くする制度

- **高額介護サービス費** — 1か月の自己負担が上限を超えた分が払い戻されます。所得により上限が違います
- **高額医療・高額介護合算療養費** — 1年間の医療と介護の自己負担を合算して、上限を超えた分が戻ります
- **医療費控除** — 施設サービス費のうち一定部分や、おむつ代（医師の証明が必要）が対象になることがあります
- **世帯分離** — 住民票上の世帯を分けることで負担段階が変わる場合があります。ただし他の影響もあるため要確認

いずれも申請が要るものが多く、**知らないと受け取れません**。ケアマネジャーや市区町村の窓口に確認してください。

[財産と希望を書き出す](https://endingnote.nanae.me/note)

## まとめ

- 原則は**本人の財産から**。子の義務は余力の範囲にとどまる
- 判断能力が落ちると口座は凍結。**元気なうちの代理人サービス**がいちばん安い備え
- 立て替えたら**領収書とメモ**。記録がなければ精算を求められません
- 寄与分も特別寄与料も認められるとは限らない。確実にしたいなら**遺言書**
- 高額介護サービス費などは**申請しないと受け取れません**

## よくある質問

### 親の年金だけで足りません。子が払う義務はありますか？

民法上、直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養する義務を負います。ただし、これは自分の生活を維持したうえで余力がある範囲の義務とされています。自分の生活を犠牲にしてまで負担する義務はありません。まず本人の財産の有無を確認し、次に公的な負担軽減の制度を確認してください。

### 立て替えた分は、相続のときに必ず返ってきますか？

必ずではありません。本人のために立て替えた費用は、本人に対する貸付（立替金）として相続財産から精算を求められる余地がありますが、他の相続人が争えば証拠が必要になります。領収書と使途のメモを残しておくことが、事実上の条件です。

### 介護をしなかったきょうだいと、取り分が同じなのは納得できません。

法定相続分は介護の有無で変わりません。寄与分を主張することはできますが、通常の親族としての世話を超える特別な貢献が必要で、認められるハードルは高めです。親が元気なうちに遺言書を書いてもらうのが、最も確実な解決です。

### 施設の入居一時金は誰の財産になりますか？

本人が支払った場合は本人の財産で、返還金がある契約なら未償却分が相続財産になります。子が支払った場合は、本人への立替えなのか贈与なのかで扱いが変わります。金額が大きくなりやすい部分なので、支払う前に整理し、記録を残しておいてください。

## 一次情報の確認先

- [法務省](https://www.moj.go.jp/)：相続・遺言・登記の制度
- [厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/)：健康保険・介護保険・成年後見
- [e-Gov 法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/)：民法・相続税法などの条文

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
