# 遺留分とは｜割合の計算方法と、侵害額請求への備え

> 遺留分は遺言によっても奪えない最低限の取り分です。相続人ごとの割合、計算に含める生前贈与の範囲、遺留分侵害額請求の期限（1年・10年）、そして請求されないための遺言の設計方法までを計算例つきで解説します。

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- カテゴリ: 遺言書の書き方
- 公開: 2026-09-05
- 最終更新: 2026-09-05

## この記事の要点

- 遺留分は遺言でも奪えない最低限の取り分で、割合は「全体の2分の1（直系尊属だけが相続人なら3分の1）× 自分の法定相続分」です。
- 兄弟姉妹には遺留分がありません。
- 遺留分侵害額請求は、相続の開始と侵害があったことを知った時から1年、相続開始から10年で消滅します。
- 計算のもとになる財産には、相続人への贈与は相続開始前10年以内、相続人以外への贈与は1年以内のものが加算されます。
- 遺留分を侵害する遺言も無効にはならず、請求されなければそのまま確定します。

遺言書を書けば、財産の分け方は自由に決められます。ただし完全に自由ではありません。一定の相続人には**遺留分**という最低限の取り分が保障されており、これを侵害すると、後から金銭の支払いを請求される可能性があります。

遺言を設計するうえで、必ず押さえておきたい制度です。

## 誰に、どれだけ保障されるか

| 相続人 | 遺留分（全体） |
| --- | --- |
| 直系尊属（父母・祖父母）のみが相続人の場合 | 遺産の1/3 |
| それ以外の場合（配偶者や子がいる） | 遺産の1/2 |
| **兄弟姉妹（甥・姪を含む）** | **なし** |

各人の遺留分は、この「全体の割合」に**自分の法定相続分**を掛けて求めます。

> **兄弟姉妹に遺留分がないことの意味**
>
> これは実務でとても重要です。子がいないご夫婦が「全財産を配偶者に相続させる」という遺言を残せば、兄弟姉妹から遺留分を請求されることはなく、**配偶者に確実に全額を残せます**。遺言書の効果が最も大きく出るケースです。

## 計算例

### 例1｜相続人が配偶者と子2人、遺産6,000万円

- 遺留分の全体：6,000万円 × 1/2 ＝ **3,000万円**
- 配偶者：3,000万円 × 1/2（法定相続分）＝ **1,500万円**
- 子それぞれ：3,000万円 × 1/4 ＝ **750万円**ずつ

この場合、「全財産を長男に相続させる」という遺言も有効ですが、配偶者は1,500万円、次男は750万円を長男に請求できます。

### 例2｜相続人が子1人、遺産4,000万円

- 遺留分の全体：4,000万円 × 1/2 ＝ **2,000万円**
- 子：法定相続分は全部なので、2,000万円 × 1 ＝ **2,000万円**

### 例3｜相続人が配偶者と、亡くなった方の兄1人

- 配偶者：遺産の1/2 × 3/4（法定相続分）＝ **遺産の3/8**
- 兄：**遺留分なし**

「全財産を妻に」と書けば、兄は何も請求できません。

## 計算のもとになる財産に何を含めるか

遺留分を計算する財産は、亡くなった時点の財産だけではありません。**生前に贈与した財産も一定の範囲で加えます**。

| 加える贈与 | 期間 |
| --- | --- |
| 相続人以外への贈与 | 相続開始前1年以内のもの |
| 相続人への贈与のうち、特別受益（結婚資金・住宅資金・生計の資本など）にあたるもの | 相続開始前10年以内のもの |
| 当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与 | 期間の制限なし |

計算式は「相続開始時の財産 ＋ 加算する贈与 － 債務」です。

「生前に全部贈与してしまえば遺留分を回避できる」という考えが通用しないのは、このためです。

## 遺留分侵害額請求の期限

遺留分は、**請求して初めて意味を持つ**権利です。放っておけば時効で消えます。

- **相続の開始と、遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年**
- **相続開始の時から10年**（こちらは除斥期間で、知らなくても消滅します）

1年はあっという間です。請求する側は、まず内容証明郵便で意思表示をして時効の完成を止めるのが一般的な実務対応になります。

## 請求されると何が起きるか

法改正により、遺留分の請求は**金銭の支払いを求める形に一本化**されました。

かつては請求すると不動産が共有状態になり、事業承継や自宅の承継が困難になる問題がありました。今は「お金を払う」話に整理されたため、**不動産そのものは渡さずに済みます**。

> **ただし現金が必要になります**
>
> 不動産を渡さずに済む代わりに、**現金を用意しなければなりません**。自宅を相続した子に手元資金がなければ、結局その自宅を売る、という展開もあり得ます。裁判所に支払期限の猶予を求めることはできますが、根本的な解決にはなりません。

## 請求されないための設計

### ① 遺留分を意識した配分にする

最も確実な方法です。遺留分を侵害しない範囲で配分すれば、そもそも請求は起きません。「長男に多く」であっても、他の子の遺留分を確保しておけば争いは避けられます。

### ② 生命保険を使う

受取人を指定した生命保険金は受取人固有の財産であり、**原則として遺留分の計算に含まれません**（保険金額が遺産に比して著しく大きいなど、例外的に特別受益に準じて扱われた裁判例はあります）。

自宅を継ぐ子を受取人にしておけば、その保険金を遺留分の支払い原資にできます。**渡すお金を用意する手段**として、非常に噛み合います。

### ③ 付言事項で理由を書く

法的な効力はありませんが、**なぜその分け方にしたのか**を自分の言葉で残しておくと、納得を得られることがあります。

「長男は10年にわたり同居して介護をしてくれた」「次男には住宅資金として1,000万円を援助した」。事実を淡々と書くのがコツです。他の相続人を責める書き方は逆効果になります。

### ④ 遺留分の放棄をしてもらう

生前でも、**家庭裁判所の許可**を得れば遺留分を放棄できます。事業承継の場面などで使われる方法です。

ただし本人の意思が必要で、家庭裁判所は放棄の合理性や代償の有無を審査します。無理に迫って放棄させることはできません。

[財産を書き出してみる](https://endingnote.nanae.me/note)

## まとめ

- 遺留分は**遺言でも奪えない最低限の取り分**。ただし兄弟姉妹にはない
- 割合は「全体の1/2（直系尊属のみなら1/3）× 自分の法定相続分」
- 計算には**一定期間の生前贈与も含まれる**
- 請求は**知った時から1年、相続開始から10年**で消える
- 請求は**金銭**を求める形。不動産は渡さずに済むが、現金の準備が要る
- 生命保険と付言事項が、実務上よく効く

遺言を書くなら、[遺言書が必要な人チェックリスト](https://endingnote.nanae.me/guides/yuigon-hitsuyou)と[遺言書の文例](https://endingnote.nanae.me/guides/yuigon-bunrei)もあわせてご覧ください。

## よくある質問

### 遺留分を侵害する遺言は無効になりますか？

いいえ、遺言自体は有効です。遺留分を侵害された相続人が請求するかどうかは本人の自由で、請求されなければそのまま確定します。無効になるわけではない、という点が重要です。

### 相続放棄をした人にも遺留分はありますか？

ありません。相続放棄をすると最初から相続人でなかったことになるため、遺留分もなくなります。なお、遺留分の放棄は相続放棄とは別の制度で、遺留分だけを放棄しても相続人の地位は残ります。

### 生前に全財産を贈与すれば、遺留分を回避できますか？

できません。相続人への特別受益にあたる贈与は相続開始前10年以内のものが、相続人以外への贈与は1年以内のものが、遺留分の計算に加えられます。さらに、遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与は期間制限なく加算されます。

### 遺留分を請求されました。どう対応すればよいですか？

まず請求内容と金額の根拠を確認してください。財産の評価額が争いになることが多く、特に不動産の評価は開きが出ます。金額が大きい場合や納得できない場合は、早めに弁護士へご相談ください。支払いのための現金が用意できない場合は、裁判所に期限の許与を求める方法もあります。

## 一次情報の確認先

- [法務局](https://houmukyoku.moj.go.jp/)：相続登記・自筆証書遺言書保管制度
- [法務省](https://www.moj.go.jp/)：相続・遺言・登記の制度
- [e-Gov 法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/)：民法・相続税法などの条文

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
