# 配偶者の税額軽減（1億6,000万円）｜使い方と二次相続の落とし穴

> 配偶者は1億6,000万円または法定相続分まで相続税がかかりません。適用の条件と申告の必要性、そして「配偶者に寄せすぎると二次相続で高くなる」という典型的な失敗を、具体的な数字で比較しながら解説します。

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- カテゴリ: 相続税の基礎知識
- 公開: 2026-09-05
- 最終更新: 2026-09-05

## この記事の要点

- 配偶者は、取得した遺産のうち1億6,000万円と法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。
- 適用には遺産分割が確定していることと相続税の申告が必要で、税額がゼロになる場合でも申告します。
- 婚姻期間の長さは問われませんが、戸籍上の配偶者であることが必要で、内縁関係や事実婚は対象外です。
- 一次相続で配偶者に寄せすぎると、二次相続では法定相続人が1人減って基礎控除が600万円小さくなり、合計の税額が逆転することがあります。
- 申告期限までに分割が決まらない場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、3年以内に確定すれば更正の請求で軽減を受けられます。

相続税の制度のなかで、金額のインパクトが最も大きいのが**配偶者の税額軽減**です。使えば税額がゼロになることも珍しくありません。一方で、目先の税額だけを見て使い切ってしまうと、次の相続（二次相続）で家族全体の負担がかえって重くなることがあります。この記事では、制度のしくみと、その落とし穴を数字で確認します。

## 制度のしくみ

> **配偶者が取得した財産のうち、次のどちらか多い金額までは相続税がかかりません**
>
> **① 1億6,000万円**　または　**② 配偶者の法定相続分に相当する額**

「どちらか多いほう」なので、財産が1億6,000万円以下であれば、配偶者がすべてを相続しても相続税はかかりません。財産が3億円で相続人が配偶者と子の場合、配偶者の法定相続分は1億5,000万円ですが、①の1億6,000万円のほうが多いため、1億6,000万円まで非課税になります。財産が10億円なら、法定相続分の5億円まで非課税です。

### 適用の条件

- **戸籍上の配偶者であること**（婚姻期間の長さは問われません。内縁関係は対象外です）
- **遺産分割が確定していること**（誰がどの財産を取得するかが決まっていること）
- **相続税の申告書を提出すること**

> **税額がゼロでも申告が必要です**
>
> この軽減は「申告して初めて受けられる」制度です。計算上ゼロになるからといって申告しないと、適用を受けられないおそれがあります。基礎控除を超えている場合は必ず申告してください。

申告期限（10か月）までに遺産分割がまとまらない場合は、いったん法定相続分で申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておきます。その後3年以内に分割が確定すれば、更正の請求によって軽減を受けられます。

## 落とし穴｜二次相続で逆転することがある

父が亡くなったとき（**一次相続**）に配偶者の税額軽減を最大限使い、母がすべての財産を相続する。目先の相続税はゼロになります。しかし、その母が亡くなったとき（**二次相続**）には次の事情が重なります。

- **配偶者の税額軽減が使えない**（配偶者がいないため）
- **法定相続人が1人減る**ため、基礎控除が600万円小さくなる
- **母自身の財産も加わる**ため、課税対象が増える
- 相続人が少ないため、1人あたりの取得額が大きくなり、**適用される税率が上がる**

### 数字で比較する（財産1億円、相続人は配偶者と子1人）

母には固有の財産がなく、一次相続で取得した財産がそのまま二次相続の対象になるという前提で比べます（小規模宅地等の特例などは考慮していません）。

| 分け方 | 一次相続の納税 | 二次相続の納税 | 合計 |
| --- | --- | --- | --- |
| 配偶者が全額（1億円）を取得 | 0円 | 約1,220万円 | 約1,220万円 |
| 法定相続分どおり（各5,000万円） | 約385万円 | 約160万円 | 約545万円 |
| 子が全額（1億円）を取得 | 約770万円 | 0円 | 約770万円 |

概算であり、実際は財産の内容・配偶者固有の財産・各種特例によって変わります。傾向を確認するための数字とお考えください。

この例では、一次相続で税額をゼロにした場合が、**合計では最も重くなっています**。配偶者の税額軽減は「非課税」ではなく、**課税の先送り**の性質を持つ、と理解しておくと判断を誤りません。

## ではどう考えればよいか

「一次と二次を通算して有利になる配分を探す」のが基本ですが、税額だけで決めるべきではありません。次の要素を合わせて考えます。

1. **配偶者のその後の生活資金**が確保できるか。税額を抑えるために取り分を減らしすぎて、生活が立ち行かなくなっては本末転倒です
2. **配偶者自身の固有財産**がどれくらいあるか。多いほど、一次相続で配偶者に寄せる不利が大きくなります
3. **二次相続までの期間**。長ければ、その間に[生前贈与](https://endingnote.nanae.me/guides/seizen-zoyo)などで財産を移す余地があります（ただし[判断能力があるうち](https://endingnote.nanae.me/guides/ninchishou-shisan-touketsu)に限ります）
4. **自宅を誰が取得するか**。[小規模宅地等の特例](https://endingnote.nanae.me/guides/shoukibo-takuchi)の適用可否が変わります
5. **10年以内に二次相続が起きた場合**は、相次相続控除によって負担が一部調整されます

> **配偶者居住権という選択肢**
>
> 配偶者が自宅に住み続ける権利（配偶者居住権）を取得し、所有権は子が取得する、という分け方もできます。配偶者は住まいを確保しつつ、預貯金など他の財産も受け取りやすくなります。配偶者居住権は配偶者の死亡によって消滅するため、二次相続の課税対象にならない点も特徴です。適用には要件があるため、税理士にご相談ください。

[相続税の概算を計算する](https://endingnote.nanae.me/tax)

## まとめ

- 配偶者は**1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い額**まで相続税がかからない
- 適用には**遺産分割の確定**と**申告**が必要（税額ゼロでも申告する）
- 使い切ると二次相続で重くなることがある。**一次・二次の合計**で考える
- 税額だけでなく、**配偶者の生活資金**と**自宅の扱い**を含めて判断する

配分の検討には、財産の全体像が欠かせません。[エンディングノート](https://endingnote.nanae.me/note)で資産・負債を書き出しておくと、シミュレーションがすぐにできます。

## よくある質問

### 婚姻期間が短くても配偶者の税額軽減は使えますか？

使えます。婚姻期間の長さによる制限はありません。ただし、戸籍上の配偶者であることが必要で、内縁関係や事実婚は対象外です。

### 配偶者がすべて相続すれば、いつでも相続税はかかりませんか？

1億6,000万円または法定相続分までは、という条件つきです。それを超える部分には相続税がかかります。また、一次相続でゼロにできても、二次相続で重くなる可能性がある点に注意してください。

### 遺産分割がまとまらないときは軽減を受けられませんか？

申告期限までに分割が確定していないと、その時点では適用できません。ただし「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添付して提出しておけば、3年以内に分割が確定した際に更正の請求で軽減を受けられます。

### 一次相続で子に多く渡すと、配偶者の生活が心配です。

その懸念はもっともで、税額の最小化だけを目的にすべきではありません。配偶者居住権を使って住まいを確保する、生命保険の受取人を配偶者にして現金を確保するなど、生活資金を守りながら配分を調整する方法があります。個別性が高いため、税理士への相談をおすすめします。

## 一次情報の確認先

- [国税庁](https://www.nta.go.jp/)：相続税・贈与税・所得税の取扱い
- [e-Gov 法令検索](https://laws.e-gov.go.jp/)：民法・相続税法などの条文

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
