# 不動産を使った相続税対策｜効果のしくみと、行き過ぎたときのリスク

> 不動産で相続税評価額が下がる仕組みを、現金・更地・賃貸物件の順に整理しました。アパート建築や借入の効果、小規模宅地等の3年縛り、タワマン評価の改正、そして路線価による評価が否認された最高裁判例まで、リスクも含めて解説します。

- URL: https://endingnote.nanae.me/guides/fudousan-souzoku-taisaku
- カテゴリ: 相続した不動産の扱い
- 公開: 2026-09-06
- 最終更新: 2026-09-06

## この記事の要点

- 現金1億円の相続税評価は1億円のままですが、同じ1億円で更地を買えば評価額はおおむね8,000万円程度になります。
- 賃貸物件にすると貸家建付地・貸家の評価減が加わり、建物は建築費の約50〜60％である固定資産税評価額からさらに下がります。
- 貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例には3年縛りがあり、相続直前に始めた対策には使えません。
- 路線価による評価が否認された最高裁判例があり、高齢での取得・多額の借入・相続直後の売却が重なると危険です。
- 優先順位は分割、納税資金、節税の順です。財産が基礎控除（3,000万円＋600万円×法定相続人の数）以下なら対策は不要です。

「不動産は相続税に有利」とよく言われます。実際そのとおりなのですが、**なぜ有利なのか**と**どこまでやると危ないのか**を理解しないまま実行すると、痛い目に遭います。

この記事では、効果のしくみと、リスクの両方を整理します。

> **はじめにお伝えしておきます**
>
> 相続対策には**分割対策・納税資金対策・節税対策**の3つがあり、優先順位もこの順です。**節税だけを目的にした対策は、たいてい別の問題を生みます**。この記事は節税の仕組みを説明するものですが、それが最優先ではないことを前提にお読みください。

## なぜ評価が下がるのか

相続税では、実際の売買価格ではなく**財産評価基本通達に沿って計算した金額**を使います。この金額が、時価より低くなるのです。

| 財産の形 | 相続税評価額 | 時価に対する目安 |
| --- | --- | --- |
| **現金・預金** | 額面そのもの | **100％** |
| **土地（更地）** | 路線価方式または倍率方式 | **約80％** |
| **建物** | 固定資産税評価額 | **建築費の約50〜60％** |
| **貸家建付地** | 自用地評価額 ×（1－借地権割合×0.3×賃貸割合） | 約60〜70％ |
| **貸家** | 固定資産税評価額 ×（1－0.3×賃貸割合） | 建築費の約35〜40％ |

借家権割合は全国一律30％です。詳しくは[不動産の相続税評価](https://endingnote.nanae.me/guides/fudousan-hyouka)をご覧ください。

### 段階を追って見ると

1億円の現金を持っている場合。

1. **現金のまま** → 評価額 **1億円**
2. **更地を1億円で買う** → 評価額はおおむね **8,000万円**程度
3. **その土地に賃貸アパートを建てる** → 土地は貸家建付地として、建物は貸家としてさらに減額

さらに、**借入をして建てた場合、その借入金は債務控除の対象**になります。「借金をすると相続税が減る」と言われるのは、この効果を指しています。

> **ただし、借金そのものが節税になるわけではありません**
>
> 借りたお金は現金として残るので、それだけでは差し引きゼロです。**借りた資金で評価額の低い資産（建物）に換えるから**効果が出ます。ここを誤解して、ただ借金を増やしても意味がありません。

## 小規模宅地等の特例との組み合わせ

評価減が最も大きいのは、実はこの特例です。

| 区分 | 面積 | 減額 |
| --- | --- | --- |
| 特定居住用宅地等（自宅） | 330㎡ | **80％** |
| 特定事業用宅地等 | 400㎡ | **80％** |
| 貸付事業用宅地等（賃貸） | 200㎡ | 50％ |

> **貸付事業用には3年縛りがあります**
>
> **相続開始前3年以内に貸付事業を開始した宅地は、原則として特例の対象外**です（事業的規模で貸付事業を行っていた場合を除く）。「直前にアパートを建てる」という手法を抑えるための制限です。**対策として使うなら、3年以上前から**始める必要があります。

また、自宅（330㎡・80％）と貸付用（200㎡・50％）を併用する場合、**面積の調整計算**が必要です。どちらを優先するのが有利かは、試算しないと分かりません。

## リスク①｜事業として成り立つか

最も現実的なリスクです。相続税は減っても、**アパート経営で赤字になれば元も子もありません**。

- **空室リスク** — 人口が減る地域では、新築でも埋まらないことがあります
- **家賃下落** — 築年数とともに確実に下がります
- **修繕費** — 10〜15年ごとに大規模修繕が必要です
- **金利上昇** — 変動金利で借りていれば、返済額が増えます
- **サブリースの賃料減額** — 「30年一括借上げ」でも、賃料は見直されます
- **出口の難しさ** — 築古の一棟物件は、買い手が限られます

**相続税の節税額と、事業のリスクを天秤にかける**必要があります。数百万円の節税のために、数千万円の借入と数十年の事業リスクを負うのが合理的か。ここは冷静に判断してください。

## リスク②｜否認されることがある

評価通達による評価が**「著しく不適当」と認められる場合、国税庁長官の指示により他の合理的な方法で評価できる**という定めがあります（いわゆる総則6項）。

2022年、最高裁がこの適用を認めた判決を出しました。事案の概要は次のようなものです。

- 被相続人が**90歳前後**のときに、借入をして**不動産を購入**した
- 相続開始は購入から**数年後**
- 通達評価による評価額と、**鑑定評価額との差が非常に大きかった**
- 相続開始後、**間もなく売却**した
- **節税目的が明確**だった（銀行の稟議書に記載があった）

> **何が問題とされたのか**
>
> 「評価額が時価より低いこと」自体ではありません。**通達どおりに評価すると、対策をした人としなかった人の間に著しい不均衡が生じる**こと、そして**節税を目的とした行為であること**が重視されました。

### 実務上、気をつけたい要素

- **高齢での取得** — 相続が近い時期の購入
- **借入の規模** — 明らかに返済能力を超える借入
- **相続直後の売却** — 使う意思がなかったと見られます
- **節税目的の記録** — 提案書や稟議書に「相続税対策」と明記されている
- **乖離の大きさ** — 通達評価と時価の差が極端

これらが重なるほどリスクが高まります。逆に、**実際に事業として運営する意思があり、長期で保有する**なら、問題になる可能性は低くなります。

## リスク③｜評価ルールが変わる

2024年から、**居住用の区分所有財産（マンション）の評価に補正が入る**ようになりました。市場価格の6割を下回らないよう調整されるため、**タワーマンションを使った節税の効果は大幅に縮小**しています。

詳しくは[マンションを相続したら](https://endingnote.nanae.me/guides/mansion-souzoku)をご覧ください。

このように、**行き過ぎた節税は制度改正で潰されます**。「今できるから」で長期の借入を負うのは、慎重に考えるべきです。

## リスク④｜分けられなくなる

見落とされがちですが、実務では最も深刻な問題です。

現金1億円は簡単に分けられます。しかし、**1億円のアパートは分けられません**。

- 相続人が複数いれば、[共有](https://endingnote.nanae.me/guides/kyouyuu-fudousan)になるか、[代償金](https://endingnote.nanae.me/guides/fudousan-bunkatsu)が必要になります
- 共有にすれば、次の代でさらに困ります
- **納税資金も足りなくなります**。相続税は現金一括が原則なのに、財産が不動産に偏っているためです

> **節税対策が、分割と納税の問題を生む**
>
> 相続税を減らすために現金を不動産に換えた結果、**分けられず、納税もできない**という状態になる。これは実際によく起きます。だから**分割対策・納税資金対策が先**なのです。

## では、どう考えるか

1. **まず現状を把握する** — [相続税の概算](https://endingnote.nanae.me/tax)を出し、そもそも対策が必要かを確認する
2. **分け方を決める** — 誰に何を渡すか。[遺言書](https://endingnote.nanae.me/guides/yuigon-hitsuyou)で確定させる
3. **納税資金を確保する** — [生命保険](https://endingnote.nanae.me/guides/seimei-hoken-souzokuzei)が有効です
4. **そのうえで、余力の範囲で節税を考える**
5. **事業として成り立つかを、節税効果と切り離して判断する**
6. **3年以上前から**始める（特例の縛りを満たすため）

そして、**そもそも[基礎控除](https://endingnote.nanae.me/guides/souzokuzei-kiso-koujo)以下なら、対策は不要**です。無理に動く必要はありません。

[相続税の概算を計算する](https://endingnote.nanae.me/tax)

## まとめ

- 評価が下がるのは、**現金 → 土地 → 賃貸物件**の順
- **借金そのものは節税にならない**。評価の低い資産に換えるから効果が出る
- **貸付事業用の小規模宅地には3年縛り**がある
- **総則6項による否認**の裁判例がある。高齢での取得＋多額の借入＋直後の売却は危険
- **評価ルールは改正される**（マンション評価の見直し）
- 節税対策が**分割と納税の問題を生む**ことがある
- 優先順位は**分割 → 納税資金 → 節税**

個別性が非常に高い分野です。実行の前に、必ず税理士にご相談ください。

## よくある質問

### アパートを建てれば、確実に相続税は下がりますか？

評価額は下がります。ただし、空室が続けば貸家建付地・貸家の減額が小さくなり、賃貸割合に応じて効果が薄れます。また事業として赤字になれば、節税額を上回る損失が生じます。節税効果と事業リスクは、切り離して判断してください。

### 相続直前に不動産を買うのは危険ですか？

否認のリスクが高まります。最高裁が通達評価を否定した事案では、高齢での取得、多額の借入、相続開始後まもない売却、節税目的の明確さが重なっていました。実際に使う・運用する意思があり、長期保有するのであればリスクは下がりますが、直前の駆け込みは避けるべきです。

### 資産管理会社を作るのは有効ですか？

一定規模以上の賃貸経営では、所得の分散や納税資金の準備といった観点で選択肢になります。ただし設立・維持のコストがかかり、不動産の移転には登録免許税や不動産取得税が生じます。規模と目的次第なので、税理士に試算を依頼してください。

### そもそも対策が必要かどうか、どう判断すればいいですか？

まず財産の総額が基礎控除（3,000万円＋600万円×法定相続人の数）を超えるかを確認してください。超えないなら対策は不要です。超える場合でも、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で税額がゼロになることは珍しくありません。概算を出してから考えるのが順番です。

## 一次情報の確認先

- [国税庁](https://www.nta.go.jp/)：相続税・贈与税・所得税の取扱い
- [国土交通省](https://www.mlit.go.jp/)：不動産取引・土地の価格・空き家対策
- [法務局](https://houmukyoku.moj.go.jp/)：相続登記・自筆証書遺言書保管制度

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務に関する助言ではありません。
制度は改正されることがあります。実際のご判断にあたっては、国税庁・法務局などの最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

出典：ななえの手帖（https://endingnote.nanae.me/）
